2012年9月23日日曜日

夢のある部屋




『夢のある部屋』 
澁澤龍彦著 装幀・挿絵野中ユリ、桃源社、昭48年
初版函 133頁 汚少難有 函シミ有

本書の第一部は筆者が女性誌の「ミセス」に1969年代に連載したものであり、第2部は様々な雑誌に記載されたものから著者が選んだものです。
あとがきには、出版元から「環境のイメージ」と題されたが、筆者が自分に合わないと「夢のある部屋」と改めたと書いてあります。
目次には「飾るということ」「楽器について」「豪華なしろ」「鏡の魔法」「夜を演出する」等々。
日常を取り巻く様々な空間が、この本をめくる度に幻想的な世界へと変わってゆき、とても心地よく感じられました。
私が中でも好きなのは、時間を刻む時計がおりなす空間について描かれた「振子の音」です。

ーただ生活の便利のためだけ道具を使い、使いすぎて寿命がくれば、ぽいと捨ててしまう思想に、私は反対だ。私の好きな道具は、人が見ていない時にこっそり動き出すかもしれないような、あやしい霊の乗り移った道具なのである。ー(「振子の音」より)




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